スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

万葉集編纂

 万葉集の大きな特徴は、もう何度も言われてきて今さらながらの感ではあるが、罪人の歌が載っていることである。有間皇子、大津皇子、長屋王、は罪人とは言え、時の権力者(皇太子、天皇、藤原氏)の陰謀によって殺されたのであるが、もし勅撰和歌集なら、どうして罪人の歌を載せるかと言われる。

しかも、この三人には罪がない、謀られたのだ、ということを、誰もが感じている。そのことが読む者は判るようになっている。長屋王は罪人として葬られず、死後十年にして名誉が回復されている。つまり政府、権力側の誤りであったことを認めている。
 こういった、権力側の失政をわざわざ残すであろうか。そこで万葉集編纂は初めは私的に(大伴家)なされたいたものであった、うんと後に時代が変わってから、それらが公的に発表されたという、例えば井沢元彦氏の意見がある。
  
 そういえば、編纂者と目される大伴家持も、最後は東北に転任させられ、死後!謀反人として官位を剥奪されて、つまり犯罪者の仲間にいれられている。万葉集中もっとも多くの歌が残っている家持がそのようであるならば、万葉集は初めおそらく大伴家の私家版としてあったが、公表されたのは、かなり後、権力者の諸事件に対する見方が変ってからである、それは『古今集』のかな序に「万葉集の歌が広まったのは、ならの御時」(真名序では「平城天子…令撰万葉集」)、これすなわち平安時代の始まりであるところの平城(へいぜい)天皇の御代ではないか、と井沢氏は主張する。(契沖以来の主なる学説では奈良時代ということになっているらしい)
 
 『古今集』序では〈歌聖〉である柿本人麻呂は三位という高位の人であったと書かれてはいるが、万葉集では六位以下の〈死〉をもって取り扱われているのは不審である。人麻呂の死についての歌が幾つか残っているが、これはまた謎に満ちていて、多くの研究者は、特に齋藤茂吉は人麻呂の死場所に生涯こだわった。折口信夫は個人としての人麻呂は存在しなかったのではないかとも。  

 梅原猛氏は、人麻呂はじつは比較的位の高い人(五位以上)であったが水死刑されたのだという説で一世を風靡した。梅原氏によって、『万葉集』は処刑された人たちのための鎮魂の書であるとされた。
 後の権力者が「犯罪者の私家版」(井沢氏)を発表することによって、その祟りを抑える、つまり鎮魂をしたのだ、という。

 なるほど、万葉集には挽歌が多く(特に巻二は)暗いトーンが流れている。そこには、たしかに古代日本人の感性、ケガレとかタタリとかいう、魂につながっているような雰囲気に満ちている。古代人は、われわれが今なお御彼岸やお盆に感じるようなものを、日常つよく感じて生きていたのではないのかな。

 それにしても、あれほどの詞華集を残したということは、まあいろいろな理由があるにせよ、時の権力者が天皇にとって代わらなかったという感覚と、どこかで繋がっているような気がしてならない。


何となくそのように感じる人は↓↓

             

             人気ブログランキングへ
             にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

うたのすけさん、こんばんは!

推薦本のコメントありがとうございました!
その本を見つけましたので、明日注文しま~す!
本が届くのが楽しみです~!
なでしこ☆かなり期待していますよ!
「万葉集」の新書カバンにいれて持ち歩くつもりで~す。
ありがとうございました!では~!

万葉早分かり

なでしこさん。お忙しければ、どんな簡単な万葉集解説本、あるいは秀歌select版でも、この悲劇の御三人の歌と物語は載っていると思いますよ。比較的最近のでは、青春出版社というところから出ている、地図とあらすじでわかるシリーズの「万葉集」を薦めます。図、写真、系図、年表などがふんだんにあって、しかも薄い新書サイズ。小生も愛用しています。

こんばんは。

懐かしい人物名を見つけたのでコメントします。(ははは!)
>有間皇子、大津皇子、長屋王、
↑この名前どこかで見たようなと思ったら・・・。
(聖徳太子も似たような感じでしたよね?)
あ!思い出しました、無実の罪で殺された皇子たちですね。
昔、本で読んだ記憶はあるんですけどね。忘れてました~。
なんと!万葉集って意外な側面がある本なんですね。
とても興味が沸いてきましたぁ~!読まなくちゃ!
でも、読む時間がなかなか作れません!(残念です~!)

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

うたのすけ

Author:うたのすけ
世の中の人は何とも岩清水
澄み濁るをば神ぞ知るらん

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。