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蛍を見る

 昨夜、近所のお寺で蛍を見た。このお寺は興正寺という大きなお寺で、境内の真中に五重塔がある。その奥に本堂がある。本堂の裏手から側面に沿って新しそうな溝がしつらえてあり、水が絶えずちょろちょろ流れている。背後は多少高くなっているものの、山はむろん丘と言えるほどのものもないから、おそらく水道で水を流しているのではないかと思われる。本堂の脇に池と言うには小さい水の澱みがあり、所々に菖蒲が植っている。

 これは季節限定での設えであろうか。というのは、二、三日前「観蛍会」なるものがあったというのを新聞で知ったからだ。その時は演奏会も催され大いに賑わったのであろうと思われる。どうせ予約がいっぱいで、急に行っても見れないに決まっているから行く気がしなかった。しかし、蛍はすぐいなくなるわけでもあるまい、多少は残っているのではないかなと思い、行ってみた。

 境内には道に沿って小さな明りが灯され、五重塔はライトアップされていて、幻想的だった。目的の澱みの辺りは、暗い。近くの水縁はぼんやりと判るが、何メートルか向うはもう闇である。そして、誰も居ない。すぐ近くには水子供養塔があってちょっと不気味である。
 空気は生温かく、風もなく、しんとして、聞こえものは水が流れる音のみで、何か不思議な人工的な空間にいる感じである。暗闇にじっと目を凝らしていると、ところどころで黄緑色の光が、点滅したり、大きな楕円形の軌跡をゆっくりと描いている。ふと背後から迫ってくる光に気づく。振り向くと一瞬光の線がその辺をよぎる。
 
  さまざまに動く光につつまれて
    さながら無重力の中に居る 
 
  漆黒に 蛍の光 無限円

 昭和二十年、知覧から飛んで行った特攻兵士が予言通り死んで蛍になって帰ってきた話を思い出す。蛍を見た親しい人たちは涙を流し約束の歌を歌ったとか。

 ほんとうに蛍は死んだ人の霊魂のようだ。

  今はなき愛(かな)しき人のふいに来て
    あはれと思ふ小さき光

『夕顔』ふうに追加

  前(さき)の世の愛しき人か蛍火の
     ほのぼの見えてなつかしきかな




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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

蛍の詩

紀瀬さんありがとうございます。
蛍を見るのは久しぶりですが、小生は星を見ても、月並みだけれど(笑)それこそ月を見ても、故人を思い出します。今頃どこでどうしているのだろう、向こうもこちらを見ているのかな、なんてよく感じます。
美香さんはいろんなところに足を運ばれておられるようですから、きっと蛍はよく見てるんでしょうね。

なでしこ☆さんこんばんは。

小生蛍見るの、もう十年以上ぶりですね。なでしこさんちの近所でたくさん見れるってうらやましいですね。
蛍が飛ぶころの夜は、ちょうど暑くもなく寒くもなく、そういう空間をそーっと動く光をみるのは、独特の次元の体験ですね。
梅雨の日、ぼーっと雨を眺めくらすのも、昔男的で好きですね。
リンクは、仕方が解ったので、うれしくてさせてもらいました。

蛍の詩

いつも楽しく拝読させていただいております。
詩が私の胸にジ~ンと・・・
思わず涙がうるうると・・・
ありがとうございます<(_ _)>

ご無沙汰しています~!

うたのすけさん、こんにちは!(※訂正しました!)

今日は、マイ・ディオフなので早くやって参りました。
そしたら~!なんと嬉しいことに「蛍のお話」の記事ですね。
なでしこ☆蛍大好き!なのでコメント残させて頂きます!

なでしこ☆は、毎年近所の神社の近くの川の蛍を見ます。
今年は、すご~く沢山の蛍を見ることができました。
いつもは、ボーっと蛍を見て・・・幸せな気分になります。
その雰囲気に溶け込み、人間である事を忘れるのが私流。
今年は、なぜか頭が働きすぎてリラックスできない。
「昔の人は蛍を御霊として、亡き人を偲んでいたのかな?」
なんて、ふと思いました。歴史びとの頭になってました。
そしたら、自分では無い様な気分になりましたね。
純粋な日本人の感性には、時々心を打たれますよ。
うたのすけさんの視点は、いいです!ホッとします!

あれ~っ!
なでしこ☆のマイ・ブログをリンクして下さったんですか!
うたのすけさん、どうもありがとうございます。(感激です!)
私のブログは、純粋な日本的な記事が乏しいように感じます。
うたのすけさんの記事のような視点の記事を書きたいと思いますね。無理かな?
今しばらくは、「昔男の流」さんのファンでいることに致します。
歌の中の梅雨もまたいいですね!
(↑現実には、そういう人は少ないかも、ははは!失礼。)

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澄み濁るをば神ぞ知るらん

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