スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

仲哀記

 『古事記』の「仲哀記」において、仲哀天皇はいわば前座を務めるだけで、真の主人公は神功皇后そして副主人公は建内宿禰の物語である。

 天皇が(「日本書紀」では宿禰が)琴を弾き、皇后は神がかりとなって、その神が新羅征伐を奨めるが、仲哀天皇は神を信じない。すると神は仲哀天皇を殺すのである。いったいこの神は何なの、という疑問が湧く。

 そして、とりあえず仮葬するのみならず、ついでに大祓をする。すなわち人々が犯した罪を清めるのである。動物虐待、田んぼの畦や溝の破壊、汚物の撒き散らし、近親相姦、獣姦。

 するとまた先ほどの神の託宣は、神功皇后のお腹の子は男の子(応神天皇)であるよと。そして宿禰がさらに、このように託宣を下す神はどなたか、と訊くと、神は答えて「天照大神の御意志だ。また底筒男・中筒男・上筒男三柱(住吉三神)だ」と言う。

 『日本書紀』では、ちょっとニュアンスが違い、神はなかなか答えないで、さんざんはぐらかした末、やっと答える。が、もう一人、事代主神(オオクニヌシの息子)も加わっている。

 そこで面白いのが、底筒男、中筒男、上筒男の住吉三神は、神代のその昔、イザナギ命が、死んだ妻イザナミ命の黄泉の国での姿(汚い死体、とにかく日本人にとって死はケガレ)をこっそり見て、逃げ帰って、体を清める=禊ぎをするために川に入る。イザナミ命が川の底、中ほど、上のほうですすぐ時、それぞれの三神が生まれている。

 つまり、この住吉三神は、罪=ケガレを祓う時の神である。そして、住吉はもともとスミノエと読んだのは、スミノエとは清の江だからである。

 古代日本における罪とは、概して自然災害を含め、ともかく悪いこと(災い)を指すらしい(宣長)。

 そして、この神功皇后。この女性は、『日本書紀』のなかで歴代天皇と同等の地位を占める唯一の女性である。
 『書記』は語る、「幼くして聡明叡智、貌容は壮麗。父の王あやしびたまふ。」そうして、神の声を伝えるシャーマンでもある。新羅に攻め入るにあたっては、男装し、「みづから、斧まさかりを執りて、三軍に命令してのたまはく、『隊列を乱すな、私欲のままに宝を取るな、婦女に暴行するな、降伏してきた敵兵を殺すな、家族のことを考えたり逃げたりするな、・・・』
 すごい女傑だ。西にブリュンヒルデあれば東に神功皇后あり、って感じかな。
 しかもこのとき臨月だった。後の応神天皇を身ごもっていた。そして遠征が終わるまで、出産を遅らせた。こうなると女傑と言うより魔女だな。

 『書記』作者らは、神功皇后の巻を書くにあたって、アマテラス、卑弥呼を念頭に置いていたとも。あるいは、斉明天皇を、また、あるいは、持統天皇、元明・元正天皇を念頭に置いていたとも。しかし、誰がモデルであろうとも、物語の面白さには本質的に関係がない。


       
     にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村
     人気ブログランキングへ
      
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

うたのすけ

Author:うたのすけ
世の中の人は何とも岩清水
澄み濁るをば神ぞ知るらん

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。