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保元物語

久しぶりに面白い物語を読んだ。途中何度も大昔読んだ「平家物語」が彷彿として蘇ってきた。

 この物語は、崇徳上皇チーム対後白河天皇チームの戦いのお話。

 この戦いのそもそもの発端が、鳥羽上皇と崇徳上皇の仲違いである。このお二人は父と子であるのに、どうして仲が悪かったのか。この物語には書いてないが、崇徳は実は鳥羽の実子ではなく、鳥羽の祖父の白河天皇の子であったようだ。つまり、白河天皇は孫(鳥羽)の妻(待賢門院)に手をつけたのだ。それを鳥羽は知っていたので、子の崇徳を叔父子と呼んでいたそうだ。それが事実なら、この騒乱の種は文字通り白河天皇が播いたのだ。

 それはそうとして、時は院政の時代。鳥羽は、崇徳を帝位につけて、上皇として実権をふるう。そして美福門院との間にできた子を帝位(近衛天皇)につけるため、崇徳を上皇にし(新院)、自分が法皇として実権をふるい続けた。
 だが、近衛天皇は17歳にして崩御。鳥羽法皇は、次の帝と目されていた崇徳上皇の息子重仁親王を差し置いて、近衛の異母兄(後白河)を帝位につけた。
 近衛の早世は崇徳上皇と重仁親王の呪詛によるものだとしていう噂によるものだったが。これは美福門院(と鳥羽法皇)の画策であった。

 要するに、崇徳系は置いてきぼりにされたのだった。そうして、鳥羽法皇が崩御すると、待ってましたとばかり崇徳院は立ち上がる。

 折から、摂関家においては、権力争い真っ最中の藤原忠通・頼長兄弟が、それぞれ崇徳院側と後白河帝側とに付き、戦闘に巻き込まれた武士団においても平家・源家それぞれ同じ親族でありながら敵味方に二分された。

 この物語の圧巻はやはり源為朝の八面六臂の活躍だ。この為朝は幼少のころから伝説的な人物で、鎮西八郎と言われたのは、兄たちをも兄と思わず好きし放題、親もこの悪ガキを都に置いておいたらろくなことはない、鎮西(九州)にやっちまえ、ってことで13歳に豊後の阿蘇家にやっかいになる。

 しかし九州でも大暴れ。たちまちのうちに九州の豪族どもの大将になる。体格優良、腕力は鬼神も之を避く。弓を取っては人一倍遠く飛ばし、百発百中。戦闘の細部の簡潔な描写が、軍記物の命であり、叙事詩として輝くところだ。

 勇猛果敢な為朝のおかげで、崇徳側が有利と思われたが、左大臣の判断ミスで、結局一日にして負けが決まる。近江の山中に身を隠していた為朝だが、運悪く病にかかり湯治中、大勢の敵に囲まる。怪力を発揮して暴れまくるが、ついに捕らえられる。
 本来は死罪となるところ、これほどの弓矢の名人を亡くすのは惜しいとのことで、伊豆の大島に配流。しかし為朝を二度と復活させないために、左右の腕関節を壊したのだった。

 しかし、これも癒え、為朝は鬼族を従え再び伊豆七島の覇者となり、したい放題。国司がこれを朝廷に訴え、為朝追討軍が遣わされる。為朝は善戦するが、矢種は尽き。最後の一矢でもって敵の船を沈めるが、切腹して果てる。
 
 そこで終わりなのだが、さまざまな尾びれが付いた。その代表的なものが、曲亭馬琴の「珍説弓張月」であり、為朝は琉球に渡り、その子が琉球王となる御話。三島由紀夫もこの話が気に入っていたらしく、最晩年にこれを歌舞伎化した。


 
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テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

No title

sryoさん、そうです、スサノオは絶えず復活し、我々を魅了し続けています。三島は自作解説で書いてます「為朝のその挫折、その花々しい運命からの疎外、その未完の英雄のイメージは、そしてその清澄高邁な性格は、私の理想の姿であり・・・」と。

No title

kontaさん。そうですねぇ。鬼神がとりついたような人物は、どこかで生きているものですね。それは遠い地方・・・われわれの心の辺境に・・・

No title

ロマンがあって面白いです。
何故かトンデモ的な伝説として残るのは、追放されたり、戦に負けた人物が多いですね。
そして旧体制に反抗したり、破壊したり、暴れまわった人物も多いです。
まるでスサノオの神話が転写されているようで...

No title

義経もモンゴルに渡り、ジンギス・ハーン(でしたっけ?)になったなんて伝説がありますね。

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