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文字の伝来

  応神天皇の御代。御母君でいらっしゃる神功皇后の影響が色濃く残っていて、日本と朝鮮半島の行き来が激しく、新羅や百済から、沢山の献上品が届けられます。
 さらに『古事記』にはこう書いてあります。
 
 「天皇は百済国に命じられた〈もし賢人がいたら献上せよ〉。それで和邇(わに)という人が来た。ついでに『論語十巻』『千文一巻』も持ってきた。(この和邇さんは文筆を業とする帰化氏族の祖)また鍛冶屋、機織り、酒造りなどの技術者も来た・・・」

 つまり応神天皇は、これからの国政にはぜひとも文字が必要だ、中国には文字という便利なものがある。これを息子たちが使えるようになるのがよい、と考えたのでしょう。

 応神天皇には沢山の息子さんがいましたが、最愛の息子さんは三男でありまして、名前は宇遅能和紀郎子(=菟道稚郎皇子=ウヂノワキの皇子)という方なのです。それでこの息子さんに皇位を継がせるべく、しっかりと勉強させようと考えられたのでした。

 『日本書紀』によりますと、百済から良馬を献上するために来日していた人で、たまたま経典をよく読めるという阿直岐(アチキ)という人を、天皇はこのウヂノワキ皇子の家庭教師につけるのですが、やや不満だったのでしょうか、もっと秀れた教師を所望するのですね。すると、アチキは、王仁(ワニ)という人が最も秀れた教師だと教えてくれます。

 それで王仁(ワニ)さんを百済から呼んで、「教師とした。諸々の書籍をワニに習ひたまふ。通りさとらずといふことなし。」ワニさん、すごい学がある人だったんでしょう。また若くて賢いウヂノワキ皇子も、スポンジが水を吸い取るように、漢籍を吸収したのでしょう。

 文字が読めるようになったウジノワキ皇子は、その後、高麗の王から書状が届いた時、ただちにその表記の無礼を咎めたと『書紀』には書いてあります。ということは、今まで読める日本人はほとんどいなかったのだから、何を書かれていてもよく判らなかったのでしょう。知らぬがほっとけ、だったのでしょうね。(苦笑)

このウヂノワキ皇子は、父応神天皇亡きあと、お兄さんの大雀皇子(オオサザキ=後の仁徳天皇)と皇位を譲りあうのですが、ご両人はとても遠慮深く、自ら辞退し続けるので、なかなか決まらなく、終にウヂノワキ皇子は死んでしまうのです(『書紀』では自死とあります)。オオサザキは慟哭しますが、後の祭りです。そして仕方なく皇位を継承し仁徳天皇となったのです。

ところで、『論語』と共に伝来したこの『千文一巻』すなわち「千字文」は、文字通り千個の漢字なのですが、こんなふうに伝えられています。

  中国南朝の梁の武帝が王子たちに書を習わせるために、王義之の筆跡の中から千の文字表を作らせた。王子たちはランダムに並んだ千個の文字を覚えることができない。それで、帝は周興嗣(しゅうこうし)という人物に、この千の文字を重複しないように使って、憶えやすいように韻文(意味のある詩文)にせよ、と命じた。周は、一晩かかってそれを成し遂げた。その苦労のゆえに、周の頭は真っ白になったといいます。

 その千字文は、こう始まり、こう終わります。「天地玄黄、宇宙洪荒、・・・・・・・・・謂語助者、焉哉乎也。」 意味解らないけれど、すごいですね。大天才ですね。

 こうして我が国に、文字という便利なツールが定着していったのでした。しかし、それは公文などを書き記すには役に立ったのでしょうが、我が倭の風土と切り離せない歌などを記すには、適さないものだと感じたのではないでしょうか。

 ついでに、『日本書紀』の応神天皇の御代は紀元300年初め。中国の梁の時代は紀元500年初め。いつものことながら、『書紀』の年代は朝鮮や中国の年代と合わないですね。『書紀』は、奈良時代の初め、多くの学者が、いろいろな資料をとり合わせて書いたのでしょう。そこには、知らずして、また故意に、つじつま合わせをしようとしたのでしょう。だからといって、『書紀』は嘘だらけだと捨て去るのは、宝を捨ててしまうことです。つじつま合わせには、そうすべき思惑が、ある思いが、あったはずです。そこに歴史の面白さが浮かび上がってきます。


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