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『カプリッチョ』

R.シュトラウス作『カプリッチョ』のMET公演映画感想―カプリッチョ風。

 シュトラウスさん、『カプリッチョ』とは、なんと上手い題名をつけたものでしょう。これが、貴方が必要とした最後の隠れ蓑だったのでしょうかね。

 貴方はこう言いたいのでしょう、人は歳をとるにつれ人生ってものが、いっそう喜劇的に見えてくる、誰もが深刻な顔をしてまで喜劇を演じたがっている、これをオペラにするとどうなるか。

 そもそも誰もいない部屋で始まる弦楽六重奏が、あの「metamorphosen」さながらの一つの時代の終わりを長々と歌う、いやあれはやっぱりmozartのquintetのパロディのつもりなんでしょう、誤魔化したって駄目ですよ、とても深刻じゃないですか。

 この初演が、偉大なる大ドイツ帝国が連合軍と戦っている真っ最中だっととか聞きましたけどね、偉いものです、ヒットラー総統はどのようにお聴きになったのでしょうか。世界の終りの予感のうちに、エヴァと恍惚の境に陥っていたのでしょうか。

 聴いていて、こんな言葉が浮かんできましたよ、〈美は過去にしか存在しない〉ってね。しかし、貴方は、どこまで本気なのか判らない、それがまあ貴方らしいと言えるんだけどね。自分はもう時代遅れだと言ったり、そのくせ美を新しい時代に盗られまいとしたり。大衆を馬鹿にしながら、大衆を当てにしたり。

 主題は、言葉と音楽の本家争いを装っていますがね、ぼくは騙されませんよ。西洋では、というか貴方のお国では、その問は延々と大真面目に考えられて、―おお、こんな言葉がありましたね、「音楽の精髄よりの悲劇の誕生」―今ではとっくにお払い箱になっているではありませんか。
 音楽も詩も、舞台に乗せる興行師がいなければ、オペラにはなりません。そのところを、貴方は見事に、一登場人物に歌わせましたね。拍手。拍手。

 美しい音楽で、さんざん泣かせておいて、終わりがいい。「お嬢様。夕食の準備ができました」という、人を小馬鹿にしたような実に散文的な文句を、召使に吐かせて、一音のトゥッティと共に明かりが消え、幕。

 これもmozartのパロディ? ―「人生みんなこうしたもの」



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