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ベルツの日記 上

嘉仁皇太子(後の大正天皇)のことを調べるつもりで手にとった本。しかし、そのことよりもベルツという西欧の教養人の目を通して見られた、日本の政治・軍事・文化・生活などがじつに面白い。

ドイツの医師ベルツは明治9年来日し、38年帰独するまで、30年近くにわたって、(その間4回ほど日本を離れているが)西欧近代医学を日本に導入した。極東に位置する日本という国家が急激に近代化する過程を、伊藤博文ら政治の要人たちや、諸外国の外交官たち、そしてその家族たちとも親しく交わりながら、肌で感じたままが書れている。

たいていの教養ある西欧人として、まずベルツは、多くの日本人が自国の過去の文化を恥じ、これを捨て、西欧から入ってきた文化を何でもいいものだとして真似ようとする傾向を、残念に感じている。
また、ベルツは人間の美に非常に敏感であるのが特徴だ。特に女性の、髪型や服装などのみならず、立ち居振る舞い、ちょっとした顔の陰影などに、いくども感動している。
ベルツは、日本の女性と結婚した。彼女の名はハナといい、彼女のストイックな態度や優しさに感動している。

また、愛国心に富んだ彼は、極東にいて、祖国ドイツを絶えず気にかけ、歯に衣着せず祖国のあり方を執拗に論じている。明治38年当時、ドイツの政策等がいかに反独感情を起こさせているか警告し、祖国の新聞に投稿しているが、当時のドイツの新聞はそれを取り上げなかった。

なお、明治36年、日露戦争2年前に、韓国インドシナに旅行に行っているときの日記から、次の文を抜粋しておく。当時の常識がどのようなものであったかがよく判る。
「朝鮮人は、自体お人好しの国民であるが、無気力の宮廷と、全く泥棒のような役人たちに支配されて、半ば滅亡状態にある。かれらに必要なものは、健全な政府である。おそらく国民にとって一番よいのは、日本がこの国をそのまま引き受けることではないだろうか。活動的な日本人が手本になって、刺激を与えてくれるに相違なく、一方ロシア人は決してこの国を同化せず、単に政治的の前衛拠点と見なすだけだろう。」
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