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12月8日

 一昨日職場で「今日は何の日か知ってる?」と訊いてみた。一人が答えるに、今日は子供の誕生日だと。もう一人は考えて、今日はたしかジョン・レノンが死んだ日だと言う。他の人たち、うーんと考え込む。「今日は300万人もの日本人が死ぬ発端になった日だよ。」「えー?」

 真珠湾攻撃。以前からアメリカではルーズベルト大統領が仕組んだ罠ではないかとささやかれていたが、眠っていた資料が明るみに出ると、ひょっとして本当にそうだったのかもしれないとも思う。まあ、日米双方ともそんなことは認めたがらないであろうが。

 しかし思うに、日本がアメリカの罠にはまったと言う言い方は甘すぎる。大局的に見て、日本から明らかに先制攻撃するように世界は動いていたように見える。当時の英、蘭、仏、ソ、中、米、みな日本の攻撃を待ちあぐんでいた。いや日本でさえ「機先を制す」でなければならないと考えていた。世界中が一致してそれを願ったのなら、真珠湾攻撃はまさに日本は自分に割り当てられた役を見事に演じたのだ。

 歴史の大きなうねりを思うとき、個々の誰かがこうしたからこうなったなどというのは、人間の力を買いかぶり過ぎている。逆に言うと歴史を見くびり過ぎている。大統領でさえ、流れに流されるしかないのだ。歴史の流れの前で個人の意志とは何か。小生は大津波に流される家家の映像を見ていた時のあの感覚を思い出す。

 戦争が終わって裁判がなされ、反省会が催される。もちろん戦時においても平和時においても、正義に照らしてというか法に照らして、罪を犯した者を罰せねばならない。しかし、戦後は、交戦国全員が参加したにもかかわらず、勝った方も負けた方もおのおのの戦後の気分の圧力によって、正しい判断がきわめて困難になるようだ。

 それゆえ大抵はていのいい責任のなすりつけあいとなり、出来事の前での謙虚さの欠如となる。じっさい誰それがこうしたから彼の責任だ、あの時こうすればよかったのだ、というような口吻が続いた。そこにはわれわれの過去に対する悲哀がない。

 やってしまったことはしようがない。あの時は2度とやって来ないのだ。あの時ああすればよかったのだと言う人は、ではもう一度あの時と同じ状況に置かれたら、どうするか。やはり同じことをしたであろう。本当は同じことなどありえない。

 あの時、例えば昭和16年12月8日のA氏の状況および決断は、A氏が生まれてからその時まで占めてきた時間空間の特異点の連続であり、なしてきた経験の総体の結果である。あの状況は、宇宙始まって以来、一回限りのものである。2度と繰り返すことはない。

 それなのに、もし自分が同じような状況に陥ったらそうはしないよ、などと悠長に言っている。歴史に対する恐怖の欠如、過去に対する信頼の欠如、と小生には感じられる。決して同じようなことは起こり得ない。小生はだれでも自分の過去の痛切な出来事を振り返ってみるとき感じるあの感情のことを言っているのだ。

 あのとき自分はこんな失敗をしたから、よくよく反省して次は同じ失敗を繰り返さななかった、というのは、彼は反省の結果別の行為をしたのではない。彼は1回目と2回目とは異なることを欲したのだ。つまり失敗というものはない。下手な作り話は好まぬ。



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テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

No title

umama01さん、まぁ国際政治というものはそういうものなんでしょう。はやくから福沢諭吉は警鐘を鳴らしています「其外国交際の法の如きは、権謀術数至らざる所なし」。
今の日本人、内ではびくびく猜疑心が強いくせに、外国には誠意の偽善的態度を好んでとっている。韓国に古文書返してあげれば仲良くなると思っているのはおめでたい、かえって変な銅像作られている(笑)

No title

ま、そもそもそれ以前に満州事変以降、国民党を裏から支援していたのはアメリカですし。
同時に国民党は欧州で日本人の悪逆を嘘八百で語り日本の支持基盤を失わそうとしておりましたし、欧米にとって植民地を増やし国力をつける日本は鬱陶しい存在で、その嘘や流言を訂正する必要性もなかったのでしょう。
戦争しか解決策がないほどには、あの時代の裏舞台は陰謀にまみれていた訳です。。。
それを阻止できなかった外交力こそが、日本に決定的に足りなかった部分なのでしょうけれど……

No title

umama01さん、ハルノートについて、ロシアスパイの説たしかに聞いたことがあります。これが本当だったら、すごいですね。また中国の駐米大使であった胡適のすぐれた誘導によるとも聞いたことがあります。
外交力軍事力の要となるのは間諜の養成だという気になりますね。

No title

ちなみに陰謀論の一部ですが、ハルノートに深くかかわった当時の財務次官だったハリー・ホワイトがロシアのスパイだったと判明しているとか。
そういう意味では、まんまとロシアに踊らされたとしか言いようがありません。
勿論、そこへたどり着くまでの感情論や経済の流れなど、戦争する燃料はいくらでも溜まっていたのを無視するつもりはありませんが。。。

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