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大正天皇御製詩4

 
「夢遊欧州」

 春風吹夢臥南堂
 無端超海向西方
 大都楼閣何宏壮
 鶯花幾処媚艶陽
 倫敦伯林遊観遍
 文物燦然明憲章
 誰問風俗弁長短
 発揮国粋吾所望

「夢のなかで欧州に遊ぶ」

春風が吹いて南の部屋にまどろめば
思いがけず、夢は西方へとめぐる
大きな都の楼閣は何と立派なことか
花や鳥がそこここに春の光に映えている
ロンドン、ベルリンへと経巡って
文化や制度の素晴らしさを見物した
各国の風俗を訪ねて長短をあげつらうなど
誰がしよう
わが国の良いものを発揮することが
吾が望みだ


これも皇太子嘉仁親王の21歳の時の御詩である。明治天皇は、皇太子の西洋行きを認められなかったけれども、こっそり夢の中で行かれたことに拍手を送りたい。

ちなみに、小生は24歳の時にギリシャ、エーゲ海に、夢の中で行ったことがある。今まで見た中で最も美しい夢であって、紺碧の海は午前のやわらかい日の光で輝き、海と空との茫漠とした青白い境界に目を凝らすと、テーブルのような巨大な大理石の神殿が微かに見える。そこから金色の肌の女たちが次々にこちらに向かって泳いでくる・・・。

もちろん生涯忘れるどころか、年を追うごとに印象は強まり、古代ギリシャへの憧れに苦しめられ、五年ほど前にギリシャへ行った(パック旅行だけれどね)

もちろん小生は、この現実の旅行において夢とは全然異なる発見をしたのだけれど、夢は夢で永遠の憧憬があるのであって、むしろ現実を下から支えるものではある。また夢ほど強烈ではないけれど、空想もなかなかいい。夢は恩寵としか言いようがないけれど空想はいつでもできる。実際の旅行にはおよばないけれど、空想には空想の醍醐味というか味わいというものがある。時間も金も僅少の仲間たちよ、ぜひ空想を味わってほしい。

嘉仁皇太子の「夢遊欧州」は、実際に見た夢をそのまま漢詩にされたのだが、欧州は何と素晴らしいところであったか、そして国々によって文化がかくも異っているが、それは優劣の問題ではない、日本は日本の良いところを発揮すればよい、となる。明治34年の為政者たちにくらべて、なんと落ち着いた心意気であられたことか。




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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Re: No title

umama01さん。真夏の空ですね。(変更)


獏に乗り世界漫遊夏の午後

No title

獏の背に 乗りて眺めし 西の街
 起きて現を 夢よりもなお 
……語句が多いとより難しくなりますね~。
しかし、文化に優劣はなく自国を良くすることこそが最良の道という考え方は実に頷けます。
戦後も最近も、西洋文化を取り入れるばっかりで……グローバル化とか何とか……もうちょっと日本の良いところを大事にしたいと思うのです。

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