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貞明皇后御歌14

   

32歳の嘉仁皇太子が天皇に即位された年から、目に見えてお体に変調をきたすようになった大正7年くらいまでの国内外の状況にざっと目を通してみよう。

1912年(明治45年) 中国で清朝滅亡し、中華民国起こる。明治天皇崩御

1913年(大正2年)  大正政変(大正天皇陸軍に利用される)→軍部大臣現役武官制の廃止

1914年(大正3年)  シーメンス事件(三井物産と海軍首脳との贈収賄事件、ドイツの謀略か?)第一次世界大戦参戦

1915年(大正4年)  対華21カ条要求 戦争景気 *4月、大正天皇即位の大礼 *12月、第4皇子澄宮崇仁親王(三笠宮)誕生

1916年(大正5年)  大隈首相狙撃される  民本主義(吉野作造)

1917年(大正6年)  石井=ランシング協定(日本の中国対策についてアメリカの容喙) ロシア革命→ロマノフ王朝滅亡→日本の華族層に衝撃を与える。戦争景気→物価高→貧富の差拡大

1928年(大正7年)  シベリア出兵~1922(大出費)物価高→米騒動(越後一揆全国へ)革命への不安 寺内内閣総辞職→平民宰相原敬(初の本格的政党内閣)

 何時の時代も多事多難。大日本帝国憲法下での天皇は、真正面から政治に向かわねばならない。ところで、大正天皇はどういうお人かというと、もう何度も触れましたけれどね、公的な儀式などにはもっとも不似合いなお人だった。大隈公から見れば大正天皇は、失礼ながらかわいい繰り人形みたいなものじゃなかったのかな。堅物の山県公から見れば、ふがいないと言うか怒れてきて怒れてきてしようがない対象だった。

 原武史著『大正天皇』には、こんなエピソードが載っている。明治45年7月30日明治天皇崩御、ただちに新天皇が宮中正殿で朝見の儀で勅語朗読。しかし新天皇はこういう状況において、じっとし続けることが大の苦手である。後で、財部彪が日記に書くー(文字遣い変えますが)

 「朝見の節、天皇陛下の落ち着かれざる御態度は目下御悲痛の場合さることと申しながら、昨日の御態度については、涙滂沱たりし老臣もありたり」

また同書に、海軍大将山本権兵衛は、「今上帝の御代となりては恐れながら山県公如き人ある方が、国家の御為なり、然らざれば万々一御我儘にても募る事ありては甚だ大事なり」と語っている。政敵の山県を評価しなければならないほど大正天皇を〈でくのぼう〉であると口に出さんばかりである。

例の大正政変のとき、山本は「陛下の思し召しとは言へ、それは先帝の場合とは恐れながら異るところあり。自分の所信にてはたとひ御沙汰なりと出盧国家の為に不得策なりと信ずれば御沙汰に随わざる方かえって忠誠なりと信ずるを以て…」  

 こんな天皇の為にやっておれるか、という所でしょう。とても忠臣とは思えませんね。しかし、大正天皇とはそういう人だったのであり、そういう性格の(今ならA.症候群と名付けられるような)人が、あの時代にお生まれになった。他でもない大正天皇の御存在こそ、恐れながら、〈天皇すなわち日本文化の中心〉と〈国家というもの〉とそして〈人間の個人として生〉ということの関係および無関係の方程式を解くヒントだと小生は感じるのであります。

 そして大正天皇の妻となられた貞明皇后こそ、大正天皇をもっとも身近に感じられた人ではないでしょうか。

 大正3年の御歌をもう一つ

    池水鳥
 水とりもいのちのつばさきられては
   波なき池もすみうかるべき



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テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

No title

umamaさん、実にあの時代、対欧米列強の薩長連合政権による大日本帝国憲法下において初めて天皇になられた方が、あの大正天皇なんですね。これを悲劇と呼ぶべきか、天の声というべきか、いったい歴史とは何だろうっ、うーん、ってところです。

No title

 ……この人物評を見ていると、今の時代に生まれたのならなかなか素晴らしい天皇陛下として活躍出来たのではないのでしょうか??
 西洋が侵略の手を伸ばしている最中では、そうも言ってられないのが当時の日本の国情だったのでしょうけれど。。。

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