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貞明皇后御歌22

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1931年(昭和6年)と言えば、満州事変の年。二年前の世界恐慌から、わが国は満蒙へと進まざるを得ず、そして二年後の国連脱退へと、慌ただしい時。

 しかし、皇太后は完全に覚悟ができていた。自分の立場、自分の為すべきことに徹しようと、腹をくくった。日毎〈お御影様〉に礼拝することの意味は何か。それは皇室を守るためである。しかし、それは明治政府が創った皇統ではない。同じことではあるが、年表のように無味乾燥な、連綿と続く天皇を守るためではない。

 それは、大正帝といういとも不思議な、純粋な人が天皇として現れた意味を問うことである。歴史家や政略家の尊大な見解のみならず、あらゆる周囲の人たちの小利口な誤解から、あの光を守るためである。むしろそれこそ天皇のエッセンスであると悟ったからである。誤解を恐れずに言えば、血統というものの深い意味を理解したからである。

 山川という主に明治帝に仕えた女官が、その著『女官』で、じつに意地の悪い口調で、節子皇太后は〈お御影さま〉の前で懺悔していた、と書いていたのを読んで、小生は、稲妻のように、その懺悔の真の意味を理解した。

 それが、節子皇后に御講進をした筧克彦の〈神ながらの道〉であるのかどうか、小生には未だよく解らない。しかし、それがどこかで歌の道につながっているような気はする。

      春埋火
 春寒み見るだにたのし埋火の
   紅にほふ花さくらずみ

    さくらずみとは良質の佐倉炭。

 朝風のはりさすごとく吹きつけて
   春のそのふに霜の花さく

     そのふとは園生、つまり庭。

     立夏
 瑞枝さすみどりの山を白雲の
   ひまよりあふぐ夏は来にけり


     梅雨難晴
 晴れなばと思ふあまりに鳴るかみの
   音もまたるるさみだれのそら


     机上月
 虫の音につくゑのしまを離れむと
   おきたるふみに月のさしくる

     机のしまとは、たぶん小さな机。

 淋しくも月は雲間にかくれけむ
   むしの音のみを庭にのこして


     朝露
 手にとりてめでまくもほし風冷えて
   白くおきたる萩の朝露


     外国語
 きく耳にそれとはわかぬ言の葉も
  かよふこころにうちゑまれつつ


     万葉集
 いそのかみふるごとながら新しき
   歌のしをりとなるはこのふみ

      しをり=道しるべ

 古の人のいたつきおもふにも
   あだには聞かじひと言をだに



  
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