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仏教伝来

 わが国へ仏教伝来の初出は、『欽明紀』の13年に、百済の聖明王が臣下のヌリシチケイを遣わして、欽明天皇に贈った〈釈迦仏の金銅像一体・幡蓋若干・経論若干巻〉を献上したという記事。

 そこには聖明王の解説も付いていて、曰く、この仏法は諸法の中で最高なのよ、難しいですよ、周公や孔子様だって知らないものなんだ。すごいでしょう。でもね、これを極めれば、悟りを得て浄土にいけるっちゅうぐらいだから、何でも思いのままよ。インドから伝わって、いまや朝鮮半島では大人気なんだ。

 これを見て、欽明天皇は欣喜雀躍、「おお、なんと素晴らしい教えなんだ! だが、これほどの物をわが国に導入するについて、臣下たちに意見を聞いてみるわ。」

 てなことで、蘇我稲目は、「もはや国際スタンダードになっている仏法を入れなければ、わが国は立ち遅れるよ」と、導入に大賛成。他方、物部大連尾輿(おおむらじおこし)や中臣氏らは、わが国は古来から八百万の神々を祀っている、外来の神様を拝むなんて、罰当たりな!」そして、蘇我氏vs物部氏の抗争が露わになる。

この崇仏派と排仏派との争いは、要するに外交がらみの政治闘争なんだけども、肝心の欽明天皇の優柔不断というか、何かすきっとしない態度が、気になるね。

『欽明紀』は、百済・新羅・高句麗の外交駆け引きと戦争の話ばかり、百済と新羅に挟まれた任那も巻き込まれて、結局うまいこと新羅に取られるけれど、まあ、昔から朝鮮人は賢いねえ、それにひきかえ日本人はおっとりしているというか、国際情勢に疎いというか。

百済が再三わが国に軍事的救援を頼みに来ているのに、欽明天皇はのらりくらり、何らかの政治的意図があってその御態度であればまだしも、どうもそうであるとは思えない。しかし家ではどう過ごされているの。皇后である石姫のほかに妃が四人。子沢山でいらっしゃる。失礼ながら数えさせてもらったら、記載されている子供だけで25人。そのうち側近の蘇我稲目の娘さんの子が20名。

こりゃ、将来不穏だね、蘇我氏の勢力が強くなるのは当然じゃない。次の敏達天皇苦労されますよ。

百済の聖明王が、仏像や有り難い法をわが国に献上したのも、もちろん王が篤い仏教信者だったけれど、深い政治的意図があってそうしたに違いない。当時の中国・朝鮮半島の緊迫した政治状況を知るに及んで、その意図が分かった。為政者のだれが善意だけでモノを贈るか。管直人じゃあるまいし。

梅原猛著『聖徳太子』を読んでいて、欽明紀に関する胸の中のモヤモヤが消散したな。

そして、欽明天皇が、蘇我稲目にこころみに仏像を安置し拝ましめた、ところが、疫病がおこり、広まった。物部・中臣連合は、それ見たことかと喜んで、天皇に仏像を捨てましょうと進言、欽明天皇「よきにはからえ」。

その後も疫病が、おそらく天然痘だったらしいけれど、続いたんだね。結局、欽明天皇も、次の敏達天皇もそれに感染して命をおとすのだけれど、立場によって理屈は何とでもつけられる。仏像を拝んだのがいけなかった、他方仏像を捨てたからいけない。

面白いのは、あれほどの仏教熱烈導入者の蘇我馬子が後に疫病にかかったとき、どうしたか。まず占いをしてもらったのだね、直接仏に縋ったのではなく、古来の占いでね。


  

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テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

No title

umama01さんこんばんは。小生は、人間に欲望がある限り宗教がある、だから人間は宗教的生き物だと思います。つまり、明日の食べ物がありますように、受験に合格しますように、病気が治りますように、って祈ることが宗教であって、その形式は様々で、場合によっては生贄や薬による陶酔舞踊を必要とすることもありますね。
仏は、山のカミや川のカミに比べると、かなり洗練され、抽象化された方便で、だからこそああいう仏像が生じたように感じます。

No title

 結局、世には神も仏も……というお話でしょうねぇ。
 ちなみに私は宗教とは社会習慣と良識の話であり、その習慣のために金を使うのは是としても(葬式や結婚式)、壺を買ったり喜捨したりは全く別のもの……という考えで御座います。。。

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