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日本国憲法前文

今更ながらなんだけど。
初めて日本国憲法前文を読んだ時から、何かしっくりこないものを感じていた。日本語としても、素直でない、シャチこばった感じを受けたし、内容もなにか継ぎはぎだらけで統一がなく、何よりも誇らしい気持ちを欠いている。

福田恒存氏によって著された「當用憲法論」(昭和40年)を再読して、小生の懐いた感じの正体が分かったので、この論を紹介しつつ書いてみよう。

日本国憲法前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意、ここに主権が国民に存することを宣言、この憲法を確定する

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。

これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。

われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。

われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する

われらは、[いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると]信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ



まず、赤字で書いた部分は、こう書く方が日本語として自然ではなかろうか。

正当に選挙された(duly elected) → 公正なる選挙によって選ばれた
いかにも直訳。正当に選挙されたなんて、中国じゃあるまいし。


確定する(establish) → 制定する
研究社英和活用大辞典ではまず〈確定する〉とのっているな、たしかに。

排除する(reject and revoke) → 拒否する
排除するって、今までにあったものを取り除くというイメージでは?

欠乏(want) → 窮乏
欠乏って何の欠乏? とくになければ、窮乏から逸れ、じゃないの?

確認する(recognize) → 認める
まだ確認までいってないのじゃないの?



これらの誤りではないけれど、自然な日本語の文章としては変だなと思われるのは、おそらく素人の翻訳者が英文(The Constitution of Japan)を、辞書を片手に翻訳した為であろうと思われる。
他にも、例えば第一文の「わが国全土にわたって…」というのも、また第二文の「その福利は国民がこれを享受する」なんていうのも、なんかしっくりしない。

それから、全体に読点が多すぎ。文章の構成に関しては、初めの文章は長すぎる。緑色で示した〈〉が三つもでてくる。原文の直訳でなければ、こんな文章はなかなか書けない。
最後から二番目の文章も、「われらは[・・・・・・・]信ずる」の緑括弧が長すぎ、日本語としてはとても不自然な感じを与える。

水色で書いた「よるものであって」と「するのであって」は、主語と述語が、その後では変わる場合に使っている。五番目の文章の、「信頼して」の緑文字〈して〉というのは分詞構文のところ。いずれも出来るだけ忠実に翻訳しようとした賜物だと思われる。

とにかく、これは英和辞典を片手に慣れぬ英文を、急いでできるだけ原文に忠実に翻訳した形跡が見うけられる。

参考に原文(英文)も附しておきます。

The Constitution of Japan  (promulgated november 3, 1946)
We, the Japanese people, acting through our duly elected representatives in the national diet, determined that we shall secure for ourselves and our posterity the fruits of peaceful cooperation with all nations and the blessings of liberty throughout this land, and resolved that never again shall we be visited with the horrors of war through the action of government, do proclaim that sovereign power resides with the people and do firmly establish this constitution.

Government is a sacred trust of the people, the authority for which is derived from the people, the powers of which are exercised by the representatives of the people, and the benefits of which are enjoyed by the people.

This is a universal principle of mankind upon which this constitution is founded.

We reject and revoke all constitutions, laws, ordinances, and rescripts in conflict herewith.

We, the Japanese people, desire peace for all time and are deeply conscious of the high ideals controlling human relationship, and we have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world.

We desire to occupy an honored place in an international society striving for the preservation of peace, and the banishment of tyranny and slavery, oppression and intolerance for all time from the earth.

We recognize that all peoples of the world have the right to live in peace, free from fear and want.

We believe that no nation is responsible to itself alone, but that laws of political morality are universal; and that obedience to such laws is incumbent upon all nations who would sustain their own sovereignty and justify their sovereign relationship with other nations.

We, the Japanese people, pledge our national honor to accomplish these high ideals and purposes with all our resources.


内容であるが、文全体に何か暗い卑屈なトーンが流れていて、これを作った人たち自身が本気で語っているような気がしない。

第一文から、下線の部分「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうに」なんて出てくる。のっけからこんなケッタイなことを書く憲法が他の国にありや?

第三文の「これは人類普遍の原理」でありの〈これは〉は何を表しているのだろうか。それにしても「人類普遍の原理」とは大きく出たものである。これを書いた人は神になったつもりか。

第四文「これに反する一切の憲法・・・・を排除する」という、〈これ〉とは何か。普遍的原理を掲げ、したがってもうこれから先はない最高憲法だから、もはや憲法改正などはありえない、と言っているに等しい。
したがって、例えば九条を解りやすいように変更することもできず、その解釈について、手練手管の応酬でもって貴重な議会を空費し続けているのもむべなるかな。

第五文の「人間相互の関係を支配する崇高な理想を」とつぜんカントのような文句が出てくるが、もっとやわらかい言い方がないものか。まあ、翻訳だからしようがないか。一番笑えるのは、「諸国民の公正と信義に信頼して」という下りだ。まあ、これも政治用語と思えばいいかもしれないが、もし本気で信じ込む日本の子供がいたら罪な話だ。

第六文の「名誉ある地位を占めたい」に至っては、いじらしいというか泣けてくる。

第八文の「他国を無視してはならない」って威勢のいいこと言って、どうすんの。そんな覚悟あるの。極めつけは政治道徳って言葉だ。政治は嘘八百を駆使した技術であって、道徳とは対極にある。政治は道徳さえ利用する。Political moralityって誰が書いたか知らんが、こんな言葉を日本人に使わせやがって。

この憲法が作られた経緯はだいたいは知られている。要点は、作成時期は日本は占領下にあった、すなわち主権を喪失していた、と思わされていた。GHQが皇居の目の前の日本生命ビルに陣取り、日本に銃口を向けていたときであった。しかも、日本の主要都市は廃墟となり、国民は食うや食わずの状態であった。

のちに公文書で明らかになったことだが、連合国軍総司令部が憲法を起草したことを一般国民に知らしめないよう、このことについて触れるような一切の文言も検閲の対象であった。

昭和20年(1945)
8月15日 終戦
9月 2日 降伏~昭和27年(1952) 4月28日まで日本は占領下に
 10月11日 マッカーサーが幣原首相に改憲を指示

昭和21年(1946)
 2月3日 日本側草案を受け取ったマッカーサーは失望し、根本的に改めるべく民政局に指示
 2月13日 改正案を日本側に提示
  ・・・  国会で審議
 11月3日 日本国憲法発布
昭和22年(1947)
 5月3日 日本国憲法施行

驚くべき短期間で、しかもこの憲法を起草したアメリカのスタッフらは27人とか、かなりの素人ぞろい。そのうちの一人、当時22歳であった米国女性ベテア・ゴードン氏は、「日本国憲法はアメリカの押し付け憲法だ」という意見に対して、ずっと後にこう語った、

「人がほかの人に何か押し付けるとき、自分のものよりいいものは押し付けないでしょう。日本の憲法はアメリカの憲法より素晴らしい。世界の憲法のいいところを集めた歴史の叡知です。いい憲法であればそれでいい。誰が書いたかを穿鑿することは意味がありません。」

小生は開いた口がふさがらない。アホか、この人。しかも面白いのは、じつに語るに落ちるとはこのことで、「世界の憲法のいいところを集めた歴史の叡知です」。 歴史というものは、国民の分割できない精神の深い流れであって、その表現は内発的でなければならず、どこからかちょっと切り取って張り付けができるようなパッチワークではない。おたんこなす!

日本国憲法は、このような軽薄なスタッフによってつくられた、あまりにも表面的で軽々しい、実意のない文字の羅列なのだ。この前文を、「素晴らしい、生徒に暗記させよう」と言う日本の教師がいるそうだが、日本人もここまで感覚がおかしくなったのは、まさにこの憲法のお陰だと、あらためて感心する次第だ。 

そして、この憲法と対をなすものがあって、この両者がぴったり咬みあって、相乗効果を発揮している。この対をなすものこそいわゆる東京裁判である。もう今では世界の法律家が認めているそうだが、あの裁判は法的に正しいものではなく、ただ戦勝国が敗戦国を悪者にした茶番劇だった。 

東京裁判 昭和21年5月3日 ~ 昭和23年11月12日判決 

これによって、日本は世界的な悪者にされてしまった。おかげで、ハイエナのような国が、虎の威を借りて、「正しい歴史認識」だの「従軍慰安婦」だのと罵り騒ぐ情況が出現している。占領されるということ、7年間も主権を失うということの恐ろしさをまざまざと見る思いがする。

このことを考慮に入れてみると、日本国憲法前文の意味がはっきりする。

では判り易く超訳してみよう。

日本国憲法前文

「日本国民は悪い国民でした。戦争を起こして、多くの国に御迷惑をかけてごめんなさい。

 ぼくら日本はみんな悪い。聖徳太子からはじまって、紫式部も西郷隆盛も小野田中尉も、みんな悪者でした。ぼくらの祖父母たちは犯罪人でした。ごめんなさい。だから墓参りはいたしません。

 人類普遍の原理を教えて頂いたからには、心を入れ替えて、日本の歴史、文化、伝統を否定し、あなたがたのように立派な国になるように精進いたします。

 あなたがた、とくに国連安全保障委員会の常任理事国入りされている立派な平和主義の国々の背後を拝みながら進みます。ふつつか者ですが、どうぞご指導をよろしくお願いいたします。

このような究極の素晴らしい理想の憲法を作って頂いてありがとうございました。再拝」



結論:この憲法は大急ぎでアメリカ人が作った文章の直訳であって、戦勝国が無理やりわれわれの手をとって書かせた証文であり、こんなもの日本人はだれも心の底から信じていない。しかし改正しようにもできにくいような仕組みになっている。
独立国家が歴史も伝統も異なる外国人よって書かれた憲法をありがたくいただいているのはおかしい。よって、この憲法を一刻も早く廃棄し、日本人らしい、仰々しくない、素直な文章の憲法を作るべきであると思う。


  

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コメント

No title

umama01さん。日本は世界史的にみると、あまりに独特ですね。たった一つの朝廷が少なくとも1300年続いてきたというのは、外国人から見ると、奇跡中の奇跡でしょうね。ものすごくうらやましいのではないでしょうか。われわれの誇るべき貴重な宝です。しかし、日本人気質の〈アホみたいな従順さ〉は、きっとそれとリンクしているのでしょうね・・・。

No title

 例え押し付けられたものであっても、その押し付けられたルールをアホみたいに遵守する辺りが、日本人だなぁと思ってしまうのが今日この頃なのですけれど。。。
 ……従順と言うか、馬鹿正直と言うか。
 まぁ、そういう日本民族の気質も、嫌いじゃありません。
 ありませんが……この記事で何が言いたいのかは、よく分かります。。。

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