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福沢諭吉『文明論の概略』を読む 2

日本の特徴。
 福沢諭吉は合理主義者であったが、形式主義に陥ることはなかった。そこが一番よく分かるのは、国体論である。それは諭吉の言葉でナショナリティといもので、日本においてその輝きは万世一系の皇統にあるとみた。
 そして武士が実権を握って以来、七百年、権威としての天皇と幕府の権力との二つの勢力があったからこそ、その二つを兼ね備える皇帝の下にあった硬直した中国の国体にくらべて、柔軟であり、それゆえ文明化されるのに都合がよかった、という。
だが一方。
 西欧の歴史のダイナミックス。王、諸侯、教会、商人らが、それぞれ力を持って己のエゴイズムを発揮して、しばしば歴史を動かしてきたのに比べ、わが日本は、時の政府に余りにも権力が偏してきた。秀吉も百姓から天下人となったが、彼は百姓のままで、農民と連帯したのではなく、百姓を止めて武士となったのであり、それは既成権力に付いたのである。日本の歴史は日本政府の歴史であった。これはある意味マイナスであって、その気質は今なお続いていて、日本人は多様性が発揮できにくい、国民は国政に無関心なままである、一般人は「知らざるは憂いなし」、日本人は自国民だという意識が希薄である。
 文明とは自国の独立のための術である。そのためには、様々な分野の発展が必要であって、例えば単なる軍事力の増大だけで他国に並んだとて、いわば虎の皮をかぶった羊である。
 日本人はまだまだ文明国ではなく、文明国の何たるかを知らない。だから外国との交際においても、「あくまで誠意を尽くして付き合い、決して疑念を持って当たってはいけない」などと、個人交際において真である道徳を、誤って国と国との交際にまで広げて考えてしまい、実のない空論を論いやすいという。

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