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バリ島に行く2

このバリ島のカンプン・カフェは、当初Aと一緒に来たいと思っていた。しかし、Aは以前に、まだIが生きていたころ訪れたことがあるし(だからAはここでのIの写真をもっていたのだった)、それにたまたまAも重病の治療中で、かつまた最後の仕事が忙しい時期でもあったので、小生はふと妻を連れて行くことに決めた。なぜなら妻が行きたがっていたから。思い返せば、妻と海外旅行というのは、結婚して間もなく一度したきりだ。その後、海外と言うはおろか国内旅行もまともにしたことがない。死ぬまでに一度くらい、お礼と言うか何と言うか、まあそういう意味で、一緒に海外旅行をするチャンスでもある。一石二鳥とはこのことではないか。

それで、次の日は遺跡や美術館を廻りながら、南の海辺のリゾート地ヌサドゥアにある広大なホテルへ。そこで二泊。この間に非常に心に残った二つのもの。一つはアルマ美術館で見たヴァルター・シュピース(Walter Spies)の絵。強いて言えば、アンリ・ルソーの発見したところをシャガールの自由さをもって描く。このドイツ人は非常に多才な人であり、バリ芸術の立役者であったそうだ。そもそもバリ島の民芸が芸術として発展してきたのは20世紀に入ってからである。それにはシュピースはじめ外国人の尽力が大きい。

ヴァルター・シュピース
   wikipedia

それからもう一つは、断崖に立つウルワト寺院。バリ島は至る所に大小の寺院がある。ふつうの民家にも門前に魔よけのヒンズー神を立て、庭には先祖供養の石塔をいくつも立てているので、広い敷地の民家は小さな寺院と区別がつかない。ところでこのウルワト寺院は、べつに寺院がどうのってものではなくそれが立つ断崖絶壁がすごい。見下ろすと波寄せる海の水の色があまりに鮮明で美しい。その敷地の傍らには円形劇場があり、そこで海に沈む夕日を背景に50人くらいの男たちが叫びながら踊る(ケッチャクダンス)。そこへインドから伝わった物語を舞う洗練されたバリ舞踊が加わる。

ウルワト寺院5 ウルワト寺院4


ウルワト寺院ダンス3



ロケーションがよい。インド洋に沈む夕日、シルエットに浮かぶ寺院、たえず漂う香の薫り、半裸の男たちの呪術的な叫び、あざやかな色彩と繊細な動きの舞踊。これらが混然一体になって、観客を陶酔の境地に陥らせる。このまさに〈総合芸術〉も最近になって政府の後押しで生みだされたものであるという。かつて見たエーゲ海の断崖に立つポセイドン神殿も円形劇場も、今は廃墟である。しかし、このウルワト寺院はまさにいま芸術祭のメッカとして胎動している。インドネシア政府は、よきにつけあしきにつけ、バリ島を一大観光地として、バックアップしているそうだ。日本人観光客は減少しつつあるらしいが、代わって急増しているのは中国人だ。まあどこでも観光地はどんな人たちでもOK。気前のよい金持さんなら熱烈歓迎。

 大きなホテルの複雑に入り組んだプールで久々に泳いだ。生まれて初めて南半球の海に浮いた。しかし、バリ島に来て以来、頭から去らないのはIのことだ。「どうして君はこの様な地に渡ったのだ。どうして死んだのだ。」なんども頭の中でそう問うてみた。そして、彼のことをできるだけ詳細に思いだそうと努めた。


     

     

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コメント

不思議な時間

淡青、訪ねてきてくれてありがとう。なにせこの頃とても孤独を感じているものですから。

Baliは独特ですよ。インドほど大規模なものはないかもしれませんが、庶民の家の隅々までヒンヅーの香りが満ちています。もちろんそれは地方宗教との混交らしいですが。

池には大きな睡蓮の花が、ビーチの木木には香りのよい花が絶えず咲いては散っていました。

 南国に  見果てぬ夢を 求めけり

じつは、もう一か所外国で行きたいところがあるのですが、ここは非常に焦ってはいないので、本当に行くかどうか・・・。もし行けたとしたら、また報告します。

紹介

微睡む時間

Guten Abend!うたのすけ殿、

バリ島はまだ未踏の地で、憧れの地でもあります。

ご友人の最期の住処を訪ねてのバリ島旅行とは
ロマンを感じます。いい旅をなさいましたねっ!

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