熊野
紀伊の国、熊野は今でこそ特急電車で名古屋から3時間で行けるが、鉄道がなかったその昔は、紀伊半島は山が深く、海岸線は概して岩がせり出している。ただでさえ半島という地形は交通に不便な、いわば閉じられた土地である。反面、海には開けており、ここ熊野は海に繋がる古い話が伝わり、古代的な気がいまなお漂っている。
鬼が城
熊野には奇岩が多い。この海岸は波の浸食によるものか、大きくえぐられて、鬼が口を開けているようにも見える。伝説によると、桓武天皇の御代、この辺りに出没する鬼と呼ばれていた海賊多娥丸を坂上田村麻呂が成敗した、そこからここを鬼が城と名付けたとある。


鬼の棲む岸壁険したえまなく
とどろく波に泡の飛び散る
徐福宮
その昔、一説によると、中国は秦の時代とも、徐福なる人が不老不死の仙薬を求めて、海のかなたを目指して出帆した。そうして辿り着いた所がこの地であり、ついにここで生涯を終えたそうである。はたして徐福は目的を果たしたのだろうか。どういう思いをこの地にいだいたのだろうか。

海と集落に囲まれて、こんもりと楠の木の塊があるでしょう、その木の脇に小さなお社(徐福宮)がある。
思ひきや海の誘ひに乗りし人
つひにこの地に骨うづむとは
花の窟(いわや)神社
イザナミの命は火の神を生んだ時、陰部に大やけどを負って、その為に死んだ。そして黄泉の国に行く。そこは出雲の地であるはずなのだが、なぜか『日本書紀』の一説には、イザナミ命が亡くなられ、紀伊の国の熊野の有馬の村に葬られた。ここの人、この神の魂を祭るは、花の時に花をもって祭る、とある。現在は、年二回のお綱かけ神事として残っている。

御神体は、拝殿に祀られているのではなく、高さ45メートルの巨岩である。これはどう見ても女陰岩に見える。とても神さびていて、目の前に立つと、現代人である小生でも敬嘆してしまう。日本一古い神社と言われているのも大いに諾うところだ。

ポスター
火の神を生みしイザナミやうやくに
熊野の海に癒されい坐す
七里御浜
波が強く、泡が舞って霧となって、海浜は靄がかかっているように見える。

波高き海岸線の果ての果て
靄(もや)たちこめる夕日影みゆ
毎年8月17日には、この海岸で大花火大会が催され、5尺の大花火が海面に映し出されて、こよなく見事なものであるらしい。この日には熊野市内外の交通が制限され、すでにすべての宿が来年の予約はいっぱいであるという。
夢に見る海を圧する大花火


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鬼が城
熊野には奇岩が多い。この海岸は波の浸食によるものか、大きくえぐられて、鬼が口を開けているようにも見える。伝説によると、桓武天皇の御代、この辺りに出没する鬼と呼ばれていた海賊多娥丸を坂上田村麻呂が成敗した、そこからここを鬼が城と名付けたとある。


鬼の棲む岸壁険したえまなく
とどろく波に泡の飛び散る
徐福宮
その昔、一説によると、中国は秦の時代とも、徐福なる人が不老不死の仙薬を求めて、海のかなたを目指して出帆した。そうして辿り着いた所がこの地であり、ついにここで生涯を終えたそうである。はたして徐福は目的を果たしたのだろうか。どういう思いをこの地にいだいたのだろうか。

海と集落に囲まれて、こんもりと楠の木の塊があるでしょう、その木の脇に小さなお社(徐福宮)がある。
思ひきや海の誘ひに乗りし人
つひにこの地に骨うづむとは
花の窟(いわや)神社
イザナミの命は火の神を生んだ時、陰部に大やけどを負って、その為に死んだ。そして黄泉の国に行く。そこは出雲の地であるはずなのだが、なぜか『日本書紀』の一説には、イザナミ命が亡くなられ、紀伊の国の熊野の有馬の村に葬られた。ここの人、この神の魂を祭るは、花の時に花をもって祭る、とある。現在は、年二回のお綱かけ神事として残っている。

御神体は、拝殿に祀られているのではなく、高さ45メートルの巨岩である。これはどう見ても女陰岩に見える。とても神さびていて、目の前に立つと、現代人である小生でも敬嘆してしまう。日本一古い神社と言われているのも大いに諾うところだ。

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火の神を生みしイザナミやうやくに
熊野の海に癒されい坐す
七里御浜
波が強く、泡が舞って霧となって、海浜は靄がかかっているように見える。

波高き海岸線の果ての果て
靄(もや)たちこめる夕日影みゆ
毎年8月17日には、この海岸で大花火大会が催され、5尺の大花火が海面に映し出されて、こよなく見事なものであるらしい。この日には熊野市内外の交通が制限され、すでにすべての宿が来年の予約はいっぱいであるという。
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