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宇佐神宮紀行 3

あくる日は電車で別府から宇佐まで行った。車窓から見る別府湾はかなり湾曲している。
所要時間はたった20分くらい。宇佐神宮方面行きのバスは35分くらい待たねばならない。ちょっと迷ったが、春のような風に誘われて歩いた。車の往来は多かったが、なんとも気持ちがよかった。たしか昨日この辺を車で通ったな・・・
途中、和気清麻呂の船繋ぎ石というのがあった。あの道鏡事件の清麻呂がなんで船?・・彼は馬で来たのではなかったのかな・・と漠然と考えながら、せっかくだから寄ってみた。どーってことない石ではあるが、あの時の石だと思うと大事であるという気がしてくる。
船つなぎ石

長閑な景色が続く。川には釣り人が一人糸をたれている。何が獲れるのと訊いてみると、「はぜ」と答える。川面は光り、川べりにはコスモスがモネの絵のように色の点々をなしている。遠くの方に長者の立派な家が見える。向こうの方に見えるのが御許山(おもとやま)という山なのかな・・
宇佐への道川

行く手には円錐形の小山が見える、この辺りではよく目立つ山だが、何という山か、地元の人に訊いておけばよかった。・・・神宮まで一時間以上かかった。
>宇佐への道山

能が始まる前、神官たちが本殿の方に向かって祝詞をあげ、あれ御幣っていうのかしらん、先に白いねじねじの紙のついた棒を振って、能楽殿と観客を清めた。そして、神様も観るのだろうか、降りてきてくださいと、祭主がウオーという異様な叫びを二度ほど発した。これぞ、原始の叫びだと感じた。未だ言葉と歌とが分かれぬ以前の遠い祖先たちの呪術の叫びだ。これは思わぬものを聞けた。

演目は神歌と仕舞二番、狂言と能「羽衣」だ。神歌から始まるのは当然として、この季節になんで「羽衣」?って思った。が、今日のこの春のような雰囲気の空気だからむしろ相応しいかも・・・
神歌が始まった。しかし、シテを謡った老人は酷かった。普段ぜんぜん練習してないんじゃないかなぁ、最後まで続くだろうかと心配したほどだった。それにしても、こんなレベルが最後まで続くのだろうかという不安が胸をよぎった。
しかし、その不安は直ぐ飛び去った。やはり圧巻は「羽衣」だった。シテもワキも囃し方も気合が入っていた。とくに大鼓のお兄さんはしっかりハマッテいた。小生は一音一音にうんうん頷いた。冠を着けたシテの美しさは今まで見た羽衣の中では最高だと思った。とくに、つつっと舞台の前面に進んだとき、折から傾いてきた日の光に照らされた白い面と衣の美しさは忘れえぬものであった。
そして思った、やはり能は野外舞台で演じられるべきであると。ふだん室内の人工的な光の中で演じられる能はいわば博物館の展示品のようだ。それとは違って、神域の野外舞台では杉木立の緑、それが放つ清い空気の流れ、自然の推移する光が舞台の奥行きに沿って微妙なグラデーションを生み出す。そのような空間での演者の動きもより広がりが大きくなる。
しかし、こんなことがありうるのであろうか。なぜなら能という高度に抽象的な舞台芸術が自然の中で演じられるほうが効果的だとは。久しぶりに観た小生の心の恣意的な感想に過ぎないのであろうか。
・・・・
宇佐能楽殿

それはともあれ、しかし野外の演能では観客は物見遊山的にざわつきやすくなる。

帰りに、どうしても欲しかった蓮池の蓮の種を取った
宇佐神宮池
もう時期遅れで駄目かと思ってもいたのだが、まだ種が残っているのもあった。棒でそっと茎を引き寄せ取る。少々欲張って取りすぎた。欲しい人があったら譲ってあげよう、一個百円で(笑)。来春はこの種から芽が出、再来年には家で花が咲けば、宇佐との繋がりができ何と嬉しいことだろう・・・と一人ほくそ笑む。しかし、黙って取ったらドロボーである。それで、宝物館を見てまわり、出口で受付の人に池から種を取ったと一応言った。そしたら、種ならここにありますよ、欲しければ上げますと、カウンターの上の缶に種が沢山あるのを見せてくれた。なーんだ、初めからここで種ちょうだいと言えばよかったのか・・・宇佐蓮種

さて、次回の宇佐参拝は来年2月13日の鎮疫祭のときと決めた。

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テーマ : 能楽 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

育つといいですね

蓮の種を初めて見ました。
なんと無知な私。意外に大きいんですね。
それもそうと、蓮の茎?本体の美しい形状に感動しました。

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