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マインドコントロールの効用 8

 しかし、不思議に思うことではあるが、人間は芸術をどうしても必要とする。もちろん無人島でただ一人、食うや食わずの状態であるならば、いわゆる芸術出現の余地はないであろう。だが、そういった時でも、よりよく食料の確保を願い、祈りをあげたり、何らかの呪術的行為をするのではあるまいか。そして呪術はわれわれがいま言うところの芸術と区別することはむつかしい。

 芸術と宗教は同じ母地から芽生えてきたのではないだろうか。宗教はわれわれの生存の不確かさ、つまり死んでなくなるであろうこと、病気などで生活が困難になるであろうこと、何事かをなすばあいに不成功に終わるかもしれないこと、などに対して、安心を与えてくれるようなものである。その一つとして石や大木を拝む行為があるが、それは歌や踊りに発展する。獲物や自然の力を描いたり彫ったりすることはすでに芸術である。身体に刺青をしたり、首飾り(ネックレース)や耳飾り(イヤリング)をするのは霊力を呼び寄せるためであるが、いろいろな模様の衣服を着ることも同じである。要するにおしゃれとは呪術であり、芸術の萌芽なのだ。

 遠い昔われわれ人間がこの世に存在し始めたときから、人間は自然の霊力と一体であると感じていたのではあるまいか。つまり人間とはそもそもそのような生き物ではあるまいか。他の動物から人間を分かつ根本はここにあるのではなかろうか。

 その後、文明が発達するにつれて、宗教は長い間に様々な修飾・変容を遂げて、政治的権力や生活習慣になっていった。また芸術のほうは、一方では彫琢と洗練の極みにおいて純粋芸術となり、もはや行くところまで行って、規範としての〈古典〉としてしか存在の余地はないようにも見える。が他方では、広がりを増し大衆芸術としていわば薄まっていき、享楽物となっていった。もちろん今後どのようになっていくのか知る由もない。
 

         
    

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テーマ : 文明・文化&思想 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

現代芸術

逆にkontaさんに伺いたいです。先はどうなるのか、何が出てくるのか、想像すらつきません。18世紀→20世紀の芸術を見渡すと、それぞれがその固有のジャンルであまりにも雄弁に何でもありとなったですからね~・・・・

No title

現代アートや音楽は完全に行き詰まっていますね。今後どうなるのでしょうか?

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